田辺市出身・太田隆文監督の最新劇映画「もしも脳梗塞になったなら」大阪で公開

2025年12月27日 18時20分

歴史・文化社会福祉・医療

田辺市出身の映画監督・太田隆文()(おおた・たかふみ)さんが、自らが脳梗塞になった体験をもとに制作した劇映画「もしも脳梗塞になったなら」が、きょう(12月27日)から、大阪・十三()(じゅうそう)の映画館「第七藝術劇場)」で公開されています。

舞台挨拶をする太田隆文監督(12月27日・大阪市淀川区・第七藝術劇場)

この映画は、太田監督が撮影で多忙を極めていた2023年、過労がたたって脳梗塞にかかり、両目を半分失明したほか、文字を読めない、言葉が出ないなどの障害、心機能も低下する症状に苦しめられますが、この経験を映画に残そうと立ち上がり、撮影技師や介護ヘルパーらの助けを借りながら脚本と撮影を手掛け、このほど完成させました。

「もしも脳梗塞になったなら」のポスター

主役の映画監督・大滝隆太郎()窪塚俊介()(くぼづか・しゅんすけ)さん、その妹役を藤井武美(ふじい・たけみ)()さんが演じ、のちに隆太郎の力になる人々を佐野史郎()(さの・しろう)さんや藤田朋子()(ふじた・ともこ)さん、隆太郎の亡くなった母親を田中美里()(たなか・みさと)さんが演じています。

今月(12月)20日から東京や埼玉で公開されたあと、きょうから大阪で公開され、上映後、太田監督が舞台あいさつに立ちました。

太田隆文監督

この中で太田監督は「登場人物のせりふや夢の中の出来事は全て私の体験をほぼそのまま反映させている。脳梗塞にかかっている人が多いにもかかわらず、病気の特徴を正しく知っている人が少なく、患者が傷つく言葉を投げかけてしまったり、外出が困難で買い物や掃除などで困っている人向けに、行政の手厚い福祉サービスがあることをメディアがほとんど伝えておらず、SNSの知人が教えてくれて気づくこともあった。私の経験を劇映画で伝えたら、少しでも早期発見や生活改善につながれたら」と語り「以前は一人で七人分の仕事を引き受けて過労を許容していたら、脳梗塞になってしまった。一人で抱え込まず、仲間に助けてもらいながら仕事や作業が出来る労働環境の整備も不可欠だ」と訴えました。

太田隆文監督の最新劇映画「もしも脳梗塞になったなら」は、関西では大阪市の「第七藝術劇場」と神戸市の「キノシネマ神戸国際」で公開されているほか、来月(2026年1月)30日からは、京都市の「アップリンク京都」でも公開予定です。

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