サンゴの成長が沿岸災害リスク低下に重要/和歌山
2025年12月23日 17時48分
串本町の南紀熊野ジオパークセンターを中心とする研究チームは、このほど、将来、サンゴが成長して波を砕くことが、沿岸災害のリスク低下に重要であることを明らかにしました。研究グループは、南紀熊野ジオパークセンターや和歌山大学、産業技術総合研究所などで、研究成果は、12月4日付のサンゴ礁研究の国際誌の電子版に掲載されました。
サンゴ礁は、台風時などに、高波の力を弱める役目を果たすことは、これまでも知られていて、生きた防波堤、天然の防波堤などと呼ばれています。しかし、和歌山県のようにサンゴ礁が発達していない温帯域のサンゴや、発達している沖縄県や鹿児島県でも、将来、どの程度波を砕くのかは明らかではありませんでした。
そこで、研究では、サンゴが波を砕く指標として、海岸線から50メートルの地点と海岸線で波の高さを比較、その低下率に注目し、サンゴの成長などを考慮した将来予測を行いました。
その結果、現在の低下率は、和歌山県で70%以上、沖縄と鹿児島は80%以上とわかりました。
そして、和歌山県串本町などでは、サンゴが2100年まで継続して成長すると、成長しない場合に比べ、低下率が増加することがわかり、サンゴの成長が、沿岸災害のリスクの低下につながることを示しました。これにより、コンクリート製インフラの新規建設の見直しや、建設や維持コスト、また、災害リスクの
具体的な予測につながることが期待されるとしています。








