宇宙産業で再興期待、本州最南端ロケットの町/和歌山県串本町
2025年01月07日 17時25分
本州最南端に位置する串本町の国内初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊(きい)」は、過疎化に悩む町にとって、地域再興への起爆剤になると、注目されています。去年(2024年)12月の打ち上げは失敗しましたが、地元串本町の田嶋勝正(たしま・かつまさ)町長は「次に大いに期待したい」と話し、町では、「ロケットの町」を目指して、取り組みが進められています。
串本町の発射場周辺は、東と南が海に開かれ、付近に 民家がなく、打ち上げに適している上、北海道大樹町(たいきちょう)や鹿児島県種子島(たねがしま)の発射場と比べ、ロケット関連の企業が集まる関東から陸続きという、アクセス面などでの利点があります。観光客による経済効果も大きく、打ち上げごとに、見学場や交通整備に町職員100人近くを動員する盛況ぶりをみせています。ただ、今後を見据えて、南紀串本観光協会の宇井晋介(うい・しんすけ)事務局長は「来てくれる人の受け皿を整えることが課題」と話します。
専門家は、宇宙産業は、世界的に市場が拡大している上、総合的な技術で成立していることから、盛んになれば、いろんな産業に影響を及ぼし、町全体の発展に寄与すると話し、田嶋町長も、関係企業に勤める若い世代の定住に期待を寄せています。