「すさみ串本道路」完成が大幅に延期へ
2024年11月28日 19時13分
紀伊半島一周道路の一部で、現在建設工事中の「すさみ串本道路」について、国土交通省・近畿地方整備局は地盤のひび割れによる橋の土台工事の中断や、固い岩盤によって、橋げた工事が予定よりも長く時間がかかっているなど、工事の難航が相次いでいるとして、当初予定していた、来年(2025年)春の開通が大幅に遅れる見通しを示しました。
これは、きょう(28日)和歌山県庁で開かれた国土交通省や県、沿線自治体などによる”すさみ串本道路”事業工程会議の2回目の会合で、国土交通省側から提示されたものです。
近畿地方整備局によりますと、仮称・安指川橋(あざしがわばし)の橋脚工事が硬い岩盤に阻まれて、通常の4倍の時間がかかっていることや、仮称・小河瀬谷川橋(おがわせだにがわばし)の工事では、地盤にひび割れが見つかり工事が中断されていて、基礎工事の変更を余儀なくされているということです。
さらに、資機材の高騰も足かせとなっていて、事業費がおよそ290億円増額する見込みで、今後、近畿地方整備局の事業評価監視委員会への諮問も必要としています。
このような状況から工事は難航し、当初、来年春に予定していた完成は大幅に遅れる見通しであると結論づけました。その上で近畿地方整備局は「引き続き工程を精査し、遅延期間が2年を超えないよう努力する」とも話しています。
これを受け、和歌山県の岸本周平知事は「早期開通を求めていた県として誠に残念だ。工程の見直しは、自然条件や工事の安全面からやむを得ないと考えるが、地域の発展の“半島防災”の観点からも紀伊半島一周道路の早期完成は不可欠で、国土交通省には、コスト縮減と、残る工事の工程管理を徹底し、1日も早い開通を求める」とコメントしています。