和歌山県文化賞に医学者の松澤佑次(田辺市出身)さん
2024年11月19日 17時50分
和歌山県の文化や学術・芸術の向上や発展に特に顕著な功績のあった個人や団体に贈られる、今年度(2024年度)の和歌山県文化表彰の受賞者が発表され、文化賞には田辺市出身の医学者・松澤佑次(まつざわ・ゆうじ)さん83歳が選ばれました。
松澤さんは、大阪大学医学部を卒業後、内科医として生活習慣病対策をライフワークとし、内臓脂肪の蓄積が多くの生活習慣病や心臓・血管の病気の原因となっていることを突き止め、メタボリックシンドロームの概念と診断基準を発表したほか、糖尿病や動脈硬化を防ぐ作用を持った脂肪細胞から分泌されるタンパク質・アディポネクチンを発見するなど、基礎医学や臨床医学の分野で世界的な業績をあげました。
文化功労賞には大分県出身で和歌山市在住の動物生態学者で京都大学名誉教授の堀道雄(ほり・みちお)さん76歳が選ばれました。
堀さんは、和歌山県立医科大学で生物学を教えるかたわら、1975年に白浜町の日置川(ひきがわ)河口のみに生息する希少な生物で、県の絶滅危惧種で天然記念物に指定されている「ヨドシロヘリハンミョウ」を発見したほか、県立自然博物館協議会委員なども務めていて、県内の希少な生物の保全や自然科学の向上に貢献しています。
また、文化奨励賞には、いずれも和歌山市出身で、バイオリン奏者・北島佳奈(きたじま・かな)さん43歳と、画家の田中秀介(たなか・しゅうすけ)さん38歳が選ばれました。
和歌山県文化表彰の表彰式は、来年(2025年)1月10日・金曜日の午後2時から、和歌山県庁の正庁で開かれます。