和歌山県・能登半島地震踏まえた防災・減災対策の中間報告
2024年10月08日 18時01分
能登半島地震で石川県に職員を派遣した事を踏まえ、防災・減災対策の検証を行っている和歌山県は、その中間報告をまとめ、きょう(8日)公表しました。
県では、能登半島と紀伊半島の共通点の多さから、今後発生が懸念される南海トラフ巨大地震に、従来の県の防災・減災対策が機能するか、不足している取り組みや、能登半島地震よりも大きな被害が起こる可能性はあるかなど「自助・共助・公助」や「きめ細かな被災者支援」など5つの柱をもとに検証を行っています。
中間報告によりますと、和歌山県内では孤立が予想される集落が564あり、備蓄状況が集落によって偏りがあることや、2020年の住宅の耐震化率が国の目標の95%に対し、和歌山県はおよそ83%にとどまっていることがわかりました。
また、市町村の避難所運営マニュアルに、衛生面や障害者などに配慮した事例を追加することや、トイレカーの整備促進、キッチンコンテナによる温かく栄養に配慮された食事の提供、国の補助制度を活用した冷暖房設備の整備促進、応援に来た自治体職員の宿泊場所や駐車場、食料調達の対応、民間の物流事業者との協定締結、道路以外の空路や船舶の輸送体制や訓練、空港施設の早期復旧のための備蓄用倉庫の設置などが、課題としてあげられています。
岸本周平知事は「県のこれまでの計画の基礎はしっかりしているので、課題や不足の部分をブラッシュアップしていく。今後、より民間との協働が重要になるうえ、コロナ禍で途絶えていた、民間や福祉団体などとの訓練の実施なども加えていかねばならない」と述べ、さらに検証を進める方針を示しました。
県では、来年(2025年)の年明けをめどに最終報告案をまとめ、県議会への報告などを経て、中長期的な取り組みに関しては5年以内での完了を目指すことにしています。