【県議会】和歌山から多くの移民が渡った木曜島で日本人墓地が荒れている
2024年06月21日 14時15分
明治から昭和初期にかけて、和歌山県から多くの人が渡ったオーストラリアの木曜島(もくようとう)で日本人墓地の荒廃が進んでいる現状が、現在開かれている6月定例県議会で議員から報告されました。報告したのは、東牟婁郡選挙区選出で自民党県議団の佐藤武治(さとう・たけじ)議員です。
明治から昭和初期にかけて、和歌山県をはじめの多くの日本人が、洋服の高級ボタンの材料となる白蝶貝(しろちょうがい)を採取しに、オーストラリア北部のアラフラ海に浮かぶ木曜島へ渡りました。しかし、危険で過酷な潜水作業のため、遭難や潜水病などで命を落とす人も多く、島には日本人墓地と慰霊碑が残されています。
佐藤議員は、きょう(21日)の県議会の一般質問で、先月(5月)日豪友好和歌山県議会議員連盟の一員として木曜島の日本人墓地を視察した際に、潮風にさらされて墓の土台が落ち込んだり、墓標が朽ちて傾いたりして荒廃が進んでいたということで「このままでは、和歌山県民をはじめとする日本人が木曜島で働いてきた歴史的遺産が風化してしまう」と訴え、県や国などが連携して、保全に向けて取り組む必要性を強調しました。
このほか、きょうの一般質問では、改新クラブの片桐章浩(かたぎり・あきひろ)議員がこの春の春闘での賃上げの成果などについて、無所属の会の中西徹(なかにし・とおる)議員が高速道路の舗装などについて、それぞれ県当局の考えをただしました。
和歌山放送では、きょうの県議会・一般質問のもようを、午後9時半から録音ダイジェストでお伝えします。