保釈保証金名目で1億円被害 和市70代女性
2024年05月21日 18時55分
自宅にかかってきた電話で、法務省の職員を名乗る男から「不正取引に加担したあなたが逮捕・拘留されないよう、保釈保証金が必要」などと言われた和歌山市に住む70歳代の女性が、2020年から1年半余りの間に、あわせて1億円をだまし取られていたことがわかり、警察が特殊詐欺事件として捜査しています。
和歌山西警察署によりますと、2020年10月、被害者の女性の自宅に大阪のボランティア団体の職員を名乗る男から「福島の復興の手伝いをしませんか」という電話があり、快諾すると、その後、法務省福島復興局のサエキと名乗る男から「他人に教えてはならない」というボランティアの登録番号を聞きました。
女性は、ボランティア団体の職員から「福島の学校に放射能測定器を贈るため、あなたの名前と登録番号を教えてほしい」と言われたため、登録番号を伝えると、サエキから電話があり、「登録番号を教えると、名義貸しになる。不正取引をしたことになる」と言われ、その後、さらに電話をかけてきたサエキが、「ボランティア団体の職員が逮捕された。不正取引に加担したあなたも逮捕・拘留される。そうならないため、保証保釈金制度を使う。法務省と取引のある宅配業者を家に行かせるので、1000万円を渡してほしい。預かった金は2~3ヶ月後に返す」と女性に伝えました。
女性は、サエキの言葉を信じ、2020年11月に自宅を訪ねてきた宅配業者を名乗る男に1000万円を渡しました。その後も「全財産の9割を預ける必要がある」などと言われ、自宅を訪れる宅配業者に1000万円を渡し続け、合計金額は、1億円にのぼりました。おととし(2022年)6月になって相手側からの連絡がなくなり、返金もされないことから弁護士に相談し、詐欺被害に遭ったことに気づいたということです。
和歌山県警察本部によりますと、特殊詐欺の被害金額としては、今年になって最も高額だということです。
警察は、特殊詐欺事件として捜査するとともに、お金を要求する電話には応じず、特殊詐欺被害防止専用フリーダイヤル「ちょっと確認電話」0120・508(これは)・878(わなや)に連絡するよう呼びかけています。