第3回関空懇談会 「和歌の浦で新たな展開を」
2024年03月27日 18時33分
関西国際空港エリアの観光ビジネスや、日本を訪れる外国人の旅行の動向などについて考える「第3回 関空を軸とする地域振興・観光振興研究懇談会」が、きのう(3月26日)、大阪市で開かれ、「和歌の浦」を例に挙げた観光のあり方が展開されました。
この懇談会は、格安航空会社の台頭などを受け、日本の観光の玄関口としてその存在感を高めている関西国際空港と、和歌山をはじめとするその周辺地域、そして外国人旅行客との関係性などについて考えようと、大阪府熊取町にある大阪観光大学が中心となって去年6月に立ち上げたもので、第3回の懇談会はきのう、大阪市都島区の「QUINT BRIDGE(クイントブリッジ)」で開かれました。
懇談会では、関西エアポート株式会社・地域連携部の北林弘幹(きたばやし・ひろき)部長と、関西エアポートオペレーションサービス株式会社の石川浩二(いしかわ・こうじ)代表取締役が登壇し、地域と空港の成長に向けた取り組みや、観光による地域活性化の課題について講演しました。
このうち、石川さんは、和歌山市の和歌の浦について調査している内容を発表し、「和歌山市は、典型的な昭和の観光地」と指摘した上で、「昭和の観光地は、プロモーションの仕方として、例えば、チラシを作っても、市内の観光案内所に配置するだけで、観光客にとっては、現地に来ないと手に入らず、ホームページを作っても更新しないので、見てくれない、という状態だ」と強調しました。
石川さんは、「和歌の浦」を和歌の聖地としてアピールするため、自らが主催する、グーグルマップやSNSを活用した、まち歩きの参加費で運営する会社を立ち上げていて、「今年秋の大きなイベントに向けて、まち歩きを重ね、まちの良さや課題を探して次のステップへ進んでいきたい」と話しました。
後半のパネルディスカッションでは、「産官学連携による関西国際空港エリアの 観光ビジネスを考える」というテーマで、前半に引き続き北林部長が登壇したほか、近畿運輸局・観光部の立溝純也(たてみぞ・じゅんや)部長、WAmazing(ワメイジング)株式会社・地域連携部の青木理恵(あおき・りえ)部長、大阪観光大学の中村真典(なかむら・しんすけ)教授がパネリストとして参加し、これからの観光ビジネスや人材育成などについて意見を交わしました。
閉会後、大阪観光大学の山本健慈(やまもと・けんじ)理事長は「時代に合わせた事業や地域の作り方、日本や世界、あるいは人の変化に意識に応じた仕組みの作り方、仕事の作り方をする必要があると知ってほしい。これまでの固定観念を捨て、自分たちで新しい時代を作るという意気込みを持ってほしい。その最先端に観光の事業が立っているのだというメッセージを送りたい」と話しました。
また大阪観光大学は、今年(2024年)9月に関西国際空港の開港記念シンポジウムの企画も予定しているということです。