全国警察逮捕術大会 和歌山県警優勝 19年ぶり5度目
2024年03月26日 20時40分
警察官が犯人を安全に取り押さえるための技術「逮捕術」を競う全国警察逮捕術大会が、先月(2月)、東京で開かれ、和歌山県警察が、19年ぶり5度目の優勝を果たしました。
この大会は、男性5人、女性2人のあわせて7人による団体戦で、武器を持たずに戦う「徒手」対「徒手」の種目や、凶器の短刀を持った相手と、「徒手」や「警棒」で戦う種目など、7人が、7つの種目でそれぞれ戦います。
大会は、都道府県の警察組織の規模に合わせて1部・2部・3部に分かれていて、和歌山県は、21の警察本部が所属する第3部で予選リーグやトーナメントを戦いました。
先月8日に東京の警視庁術科センターで開かれた大会で、和歌山県警は、予選リーグを2勝0敗で1位通過し、その後のトーナメント戦では、3勝して優勝しました。和歌山県警が優勝するのは、19年ぶり5度目です。
今回、監督を務めた、警察学校・教官の山本憲明(やまもと・のりあき)警部補42歳は、「去年11月の近畿管区内の大会で、滋賀や奈良に敗れて以降、自分のやるべきことを考え、練習試合を重ねて自信をつけ、優勝できたのがうれしい。今回の経験を活かしてそれぞれの持ち場で後輩や同僚を育成してほしいし、次の大会では連覇を目指す」と話しました。
優勝したメンバーは、普段、それぞれの所属先で勤務していますが、大会に向けて特別訓練生に選ばれると、8月頃から全国大会終了までのおよそ半年間、警察学校で逮捕術の訓練に専念します。
今回、主将を務めた岩出警察署地域課に勤務する原口憲紀(はらぐち・けんき)警部補33歳は、「遠征先で試合を撮影し、皆で動画を見て意見を出し合い、自発的に練習メニューを考えて取り組んできたのがよかった。今回、私は試合に出ず、後方支援に徹してきたので、次の全国大会では出場して優勝したい」と話しました。
また、今回の大会では、岩出警察署地域課に勤務する引𡈽優大(ひきど・ゆうだい)巡査22歳が「徒手」対「徒手」の種目に初めて出場し、すべての試合に勝って全勝賞を受賞しました。
引𡈽巡査は、「日々の訓練を目いっぱいやってきた成果が出てうれしい。大会では、自分より体格の大きい選手と戦ったが、気持ちでは負けないという思いで臨んだのがよかった」と話し、大会では同じ階級で、同じ種目に2年連続で出場できないことから、「特別訓練生に残してもらえるなら、難しいことだが、種目を変えて出場し、連覇に向けて貢献したい」と意気込みを語りました。
和歌山県警は、去年の大会で準優勝していて、来年は、2度目の連覇に向けて大会に臨みます。