東日本大震災から13年 近大生物理工で防災講演会
2024年03月11日 21時48分
東日本大震災から13年となったきょう(3月11日)、能登半島地震の被災地で活動したNPO法人や警察の関係者が活動内容を語る講演会が、紀の川市で開かれ、講演の後、災害救助のデモンストレーションが行われました。
これは、紀の川市西三谷にある近畿大学生物理工学部が、東日本大震災の発生した3月11日にあわせて2ヶ月前の能登半島地震で被災地に入って活動した人たちの話を聞くことで、南海トラフ地震に備えて防災意識を高めようと、学生や教職員、地域の人たちを対象に開いたもので、およそ100人が講演に聞き入りました。
講演では、地震の発生後、協会のメンバー4人と災害救助犬2頭で被災地に入ったNPO法人・和歌山災害救助犬協会の榎本義清(えのもと・よしきよ)理事長が、「1月3日から5日にかけて石川県の珠洲市と輪島市で、倒壊した住宅の中に、人がいないかを確認して回った」と説明し、現地で捜索活動を行っていた警察官から、「重機がないので掘り返せない。この場所で犬が反応しても通り過ぎてほしい」と言われた経験を語りました。
この後、和歌山県警広域緊急援助隊の中隊長として1月5日から7日にかけて石川県珠洲市に入った濱田真(はまだ・まこと)警部は、「現地では、道路が寸断され、大きな重機が入れず、倒壊した住宅のがれきを地面が見えるまで手作業で移動させた」と話し、紀伊半島を逆さまにした地図と、能登半島を並べて示しながら、「地形は非常によく似ており、水や食料、衛生面や宿舎、道路や燃料、そして情報を確保するための備えが必要」と強調しました。
講演会の後、大学の中庭では、災害救助犬のデモンストレーションが行われ、芝生の上に置かれた3つのボックスの中から、救助犬が、臭いで人が隠れているものを見事に当てていました。
また、自衛隊和歌山地方協力本部による校舎の屋上からのロープを使った降下訓練や、和歌山県警の機動隊による救助訓練が行われ、見学していた人たちから盛んな拍手が送られました。