和歌山県新宮市で「お燈まつり」4年ぶりに上がり子が復活
2024年02月07日 00時47分
新宮市の世界遺産・神倉(かみくら)神社で、昨夜(6日)男達が燃えさかる松明(たいまつ)を手に急峻な石段を駆け下りる「お燈まつり」が開かれ、およそ1500人が参加しました。
お燈まつりは1400年以上前から毎年2月6日に行われている女人禁制(にょにんきんぜい)の祭礼で、神倉神社のご神体「ゴトビキ岩」の前で神職が起こした神聖な火を、「上がり子」と呼ばれる白装束に荒縄を巻いた男らが持つたいまつに移し、それぞれの家に持ち帰り、無病息災を祈願するものです。
2021年から去年(2023年)までは新型コロナ禍の影響で上がり子が参加できず、神事のみとなっていましたが、制限が解除されたことし(2024年)は4年ぶりに上がり子の参加が可能となり、本来のまつりの姿に戻りました。
新宮市で英会話教室や熊野古道ガイドを行っているティム・デットマーさん62歳は、4年ぶりに通常どおりのまつりの開催を受け「とても嬉しい。身体と心の健康、それに世界平和を祈願しました」と喜びを語りました。
そして、午後8時ごろ、神倉神社の山門が開かれると、燃えさかる松明を持った上がり子たちが雄叫びを上げながら一気に駆けだし、山の中腹に炎の帯「下り龍」が浮かび上がりました。
熊野地方では、お燈まつりが終わると本格的な春が訪れると言われています。