能登半島地震・被災建物の応急危険度判定士の和歌山市職員が石川県から帰還
2024年01月22日 18時27分
能登半島地震で被災した石川県能登町(のとちょう)と周辺で、建物の危険度を判定する業務などを支援した和歌山市の職員4人が帰還し、きょう(22日)尾花正啓(おばな・まさひろ)市長に現地での活動を報告しました。
和歌山市では、和歌山県を通じた石川県からの要請を受けて、今月(1月)12日から20日にかけて、被災建築物応急危険度判定士ら4人の職員を、被害の大きい石川県能登町と穴水町(あなみずまち)、それに珠洲市(すずし)に派遣しました。
4人のうち教育施設課の黒岩賢光(くろいわ・たかみつ)建設班長ら2人は、能登町内陸部の柳田(やなぎた)地区にある112棟の建物を見回り、「危険」「要注意」などの判定作業を行い、建築指導課の那須宏之(なす・ひろゆき)副課長ら2人は、穴水町と珠洲市の実施本部に入って、危険度判定結果の整理や、相談対応業務などを支援しました。
黒岩班長らは「古い日本家屋を中心に倒壊が目立ち、1階部分が潰れた建物も見られた」などと話し、那須副課長らは「危険と判定された建物の場所を地図で赤く塗っていくが、軒並み真っ赤になる地域は、耐震基準を満たさない古い建物の密集地域なのではと推察出来た」と振り返りました。
尾花正啓市長は「余震が続く中の難しい業務は大変だったと思う。今後、万一和歌山市でこのような災害が発生した時に経験を役立てて欲しい」と述べ、4人をねぎらいました。
また4人は、積雪が判定の支障になったことや、危険度判定の「危険」と「要注意」の差を住民にどのように納得してもらえるのか、和歌山市でも、古い住居の密集地や空き家が目立つ地区、狭い道路といった、災害時の支障となりうる地域の今後の防災対策についても課題になるとの認識を示し、 全庁的な対応の必要性を指摘しました。