【和歌山県議会】和歌山県海南市の県立自然博物館移転「白紙撤回せず」
2023年12月12日 20時35分
和歌山県と海南市の間で協議されてきた和歌山県立自然博物館の移転が合意できず白紙状態になっている問題について、岸本周平知事は「残念ながら合意には至らなかったが、予定地は防災公園として整備されるとのことなので、海南市から要望があれば、県も事業実施の助言を行いたい」と述べ、白紙を撤回しない考えを改めて示しました。
これは、きょう(12日)開かれた12月定例県議会で、自民党県議団の藤山将材(ふじやま・まさき)議員の一般質問に岸本知事が答弁したものです。
県立自然博物館の移転については、老朽化や南海トラフ巨大地震対策などのため、県の長期総合計画で現在の琴の浦から高台への移転と建て直しが盛り込まれ、これを受けて海南市がおととし(2021年)までに大野中(おおのなか)に用地を整備していました。
しかし、岸本知事就任後のことし(2023年)になって、県は「水族館の移転と維持に多額の費用がかかる」などとして、今年度(2023年度)の当初予算で経費を計上せず、その後の海南市との協議も平行線となり、9月定例県議会で、県教育委員会の宮﨑泉(みやざき・いずみ)教育長が移転の断念を表明したものです。
きょうの一般質問で藤山議員は、県の対応について「県が合意したから海南市は多額の予算を計上して土地を造成した。県は土地の無償提供を要求しておいてキャンセルするとは、まともなやり方ではない」と強く非難したうえで、どう責任を取るのか岸本知事に尋ねましたが、岸本知事は「海南市の要望があれば、県として防災公園整備の助言を行いたい」という答弁を繰り返しました。
和歌山放送では、きょうの県議会・一般質問のもようを、午後9時半から録音ダイジェストでお伝えします。