浦島観光ホテルを東京のJPiXが買収
2023年12月01日 19時51分
和歌山県那智勝浦町で大型観光ホテル「ホテル浦島」を運営する三重県紀宝町の浦島観光ホテル株式会社は、東京の投資会社・JPiX・日本共創プラットフォームの買収を受け、すべての株式を譲渡することを、きょう(12月1日)発表しました。JPiXは、今月(12月)末ごろからホテル・旅館事業を受け継ぐことにしています。
きょう、和歌山市本町の紀陽銀行本店で、浦島観光ホテルの成田安弘(なりた・やすひろ)社長とJPiXの冨山和彦(とやま・かずひこ)社長、それに紀陽銀行の原口裕之(はらぐち・ひろゆき)頭取らが記者会見で発表しました。
浦島観光ホテルは67年前の1956年創業で、那智勝浦町で「ホテル浦島」と「万清楼(まんせいろう)」、田辺市本宮町で「山水館(さんすいかん)川湯みどりや」と「川湯まつや」の4カ所のホテルと旅館を運営してきました。
新型コロナ禍による観光客の減少や、事業承継などの課題に直面していて、日本各地の観光関連企業の立て直しや南紀白浜空港の運営などで実績のあるJPiXが、浦島を買収して経営を引き継ぐことで合意し、先月(11月)22日に譲渡契約を締結したものです。
JPiXの冨山社長は「私の出身地・和歌山県、とくに紀南地方でこのようなプロジェクトが出来てとても嬉しい。今後、間違いなく日本の基幹産業となる観光業で、他国が真似出来ないような資産を活かし、地元を潤すことで発展する先行地域として、根を張って盛り上げたい」と話しています。
浦島観光ホテルの成田社長は、経営譲渡を機に退任する意向を示したうえで「創業者・浦木清十郎(うらき・せいじゅうろう)の掲げた、有形無形の資産を活かし新しい観光を目指すというビジョンを実現するための大きな挑戦」と述べ、冨山社長に経営を託しました。
JPiXでは、株式の譲渡が完了する今月末ごろに、ホテルと旅館の運営を引き継ぐことにしています。