「人を見たけりゃ御坊祭」4年ぶりに通常開催
2023年10月06日 19時15分
和歌山県中部の御坊(ごぼう)・日高地方を代表する秋祭り「御坊祭(まつり)」が、新型コロナ禍のあけたことし(2023年)4年ぶりに通常開催され、氏子や見物人が歓声を上げました。
御坊祭は、毎年10月4日と5日に御坊市薗(その)の小竹(しの)八幡神社で行われる秋の例大祭で、やっこ姿の氏子の男衆が「四つ太鼓(よつだいこ)」と呼ばれる赤い天幕を張ったたいこ台を担ぎ、顔に勇猛な隈取りの化粧をした「乗り子」と呼ばれる男の子を乗せて街じゅうを練り歩くほか、小竹八幡神社の境内で獅子舞や踊りを奉納し、五穀豊穣に感謝を捧げるものです。
期間中、見物人や氏子でごった返すことから「人を見たけりゃ御坊祭」と呼ばれていますが、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年から去年(2022年)まで、神事のみの縮小開催を経て、ことし4年ぶりの通常開催となりました。
本祭りが行われたきのう(5日)は、午後から深夜にかけて、氏子たちが神社の境内で、獅子舞や、県指定無形民俗文化財に指定された「けほん踊り」「雀踊り」を奉納する「宮入(みやいり)」の行事が行われました。
宮入が終わると、鳥居の外で待っていた四つ太鼓の担ぎ手たちが、祭が終わるのが寂しいと「名残、名残、惜しやな。来年の、来年の」と叫びながら、見物客の拍手を背に神社を後にしました。
氏子たちは「新鮮な気持ちです。まだかまだかと待っていました。祭は僕らにとっての年末で、あしたから新しい年が始まる、無くてはならないものです」と話し、4年ぶりの通常開催を心底喜んでいました。
御坊・日高地方では、あさって8日に日高川町の丹生(にう)神社で「笑い祭」が行われるなど、 秋祭りシーズンたけなわとなります。