和歌山県田辺市・弁慶まつり「演劇弁慶伝説」6日の本番控え稽古が佳境に
2023年10月02日 01時42分
武蔵坊弁慶のふるさと・田辺市で、今月(10月)6日・金曜日に開幕する第35回「弁慶まつり」を目前に控え、まつりのトップを飾る市民による芝居の稽古が佳境を迎えています。
弁慶まつりでは、2001年の第15回から、公募で集まった市民による「演劇弁慶伝説」が上演されています。
源平合戦末期の壇ノ浦の戦いを前に、主君・源義経の命令を受けた弁慶が故郷・田辺に戻り、父親の熊野別当湛増(たんぞう)が率いる熊野水軍を、平家方から源氏方に寝返るよう頼み、迷った湛増が、新熊野権現社(いまくまのごんげんしゃ)・現在の闘鶏神社で紅白の鶏を戦わせて占ったとする故事を市民らが演劇で披露しています。
主役の弁慶を演じる上富田町の大野剛輝(こうき)さん29歳と、弁慶の恋人・玉虫を演じるみなべ町の中村美月(みづき)さん26歳をはじめ、小学生や中高年の市民俳優らが、田辺市内で連日稽古に励んでいて、弁慶と義経の五条大橋での決闘シーンや、鶏を戦わせて占うシーン、弁慶と玉虫の今生の別れのシーンなどを、それぞれ動きや表情を確認しながら、本番に向けた演技を練り上げています。
弁慶役の大野さんは「弁慶になりたい思いが高じたのか、体重も85キロまで増えました。強くて優しい弁慶像を見せたい」と話しています。
かつて15代目弁慶役を演じ、いまは演出を担当している丸山雅之さん47歳は「新しいメンバーが沢山入り、ベテランのメンバーがサポートするなか集中力が上がり、しっかりと仕上がっています。年々、お客さんの目も肥えているので、納得してもらえる演劇を披露することで、弁慶のふるさと田辺市を発信したい」と意気込みを語っています。
第35回「弁慶まつり」の「演劇弁慶伝説」は、今月6日金曜日のよる6時半から、田辺市東陽の世界遺産・闘鶏神社の特設舞台で上演されます。入場は無料で、全席自由席となっています。
また、翌7日土曜日には、扇ヶ浜やアオイ通りなどで、よさこい踊りや弁慶ゲタ踊り、物産テント市、もちまきなどが行われるほか、フィナーレを飾る田辺観光協会主催の田辺花火大会がよる8時から扇ヶ浜で開かれ、大パノラマ花火をふくむおよそ3500発が秋の夜空に輝きます。