ENEOS和歌山製油所 今後の中間とりまとめ発表
2023年09月05日 19時10分
今年(2023年)10月で製油所機能が停止するENEOS和歌山製油所の今後について検討している検討会はきょう(9月5日)、中間とりまとめを発表し、次世代のエネルギーを供給するゾーンと、温室効果ガスの排出ゼロを目指す企業を誘致するゾーンをつくるグランドデザインを示しました。
ENEOS和歌山製油所の今後については、経済産業省やENEOS、和歌山県や地元の有田市や海南市でつくる検討会が、去年から協議していて、製油所機能の停止を来月(10月)に控え、中間とりまとめが発表されました。
それによりますと、和歌山製油所のエリアは、今後、化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革「グリーントランスフォーメーション」のモデル地区を目指すとしていて、石油基地から未来環境供給基地へと変化する中で、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル社会の実現」と「地域経済への貢献」を図るとしています。
また、和歌山製油所の敷地248ヘクタールのうち、100ヘクタールが持続可能な航空燃料・SAF(サフ)など次世代エネルギーの製造・供給拠点となり、64ヘクタールが、カーボンニュートラルなどに関連する産業や企業の誘致を行うためのエリアとなります。残る敷地では、すでに関西電力が太陽光発電事業を行うなどしています。
また、今後の企業誘致に際しては、県や海南市、有田市が協力し、進出を希望する企業のニーズに合わせた優遇制度を検討するなどして進出を後押しすることにしています。
雇用については、製油所機能が停止する来月以降も施設の無害化工事や、継続して行う特殊燃料の製造・出荷などで一定の雇用規模が維持されるほか、SAFの事業が実現すれば、施設の建設工事や事業開始後のオペレーションなどで雇用が生じる見込みとしています。また、企業誘致の実現などでもさらに雇用の創出が期待されるとしています。
中間とりまとめが発表されたことについて、有田市の望月良男(もちづき・よしお)市長は、「来月の製油所機能停止を前に、エリアのゾーニングや雇用規模の見通し、今後の方向性が示されたことは、地域にとって、明るい光になる」と歓迎しました。
また、海南市の神出政巳(じんで・まさみ)市長は、「このグランドデザインの実現が、地域住民をはじめ、関連企業や地元自治体の新たな希望となることを期待し、早期実現に向け、関係機関と連携して取り組んでいく」とコメントしました。