映画『稲むらの火』 今年も県立美術館壁面で上映会
2023年07月31日 18時24分
紀州・広村、現在の広川町出身の偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)が、江戸時代末期に安政の大地震が発生した際、稲わらに火をつけて津波から村人を救ったとされる逸話「稲むらの火」のアニメ映画の上映会が、このほど(7/28)、和歌山市の県立美術館と博物館の間にあるエントランス広場で開かれました。
これは、青少年の更生支援などに取り組んでいる和歌山県BBS連盟と和歌山市BBS会が、いのちの大切さについて考えてもらおうと、社会を明るくする運動の強調月間にあわせて毎年、7月の第4金曜日に和歌山市吹上の県立美術館前の壁面を利用して、アニメ映画「稲むらの火」を上映しているもので、今年は、今月28日の午後7時過ぎから開かれました。
会場には、親子連れらおよそ70人が訪れ、村が津波に飲み込まれるシーンなど、上映された映画に見入っていました。
映画の上映を前に同じ会場で開かれた和歌山県警音楽隊のたそがれコンサートを見に来てそのまま映画も観たという親子連れは、「海南市からやってきましたが、稲むらの火のことは知りませんでした。子供向けに映画を上映してくれるのはうれしいし、最近は、さまざまな災害が発生するので、伝説などを、いまに伝えることで、危険に合わないようにする教育が大切だと感じた」と話し、小学1年の女の子は、「映画はちょっと怖かったけど、みんなが助かってうれしいとも思った」と話していました。
主催した和歌山県BBS連盟会長の髙垣晴夫(たかがき・はるお)さんは、「稲むらの火は、村人が助かってからの話が大切で、梧陵はその後、復興に尽力し、私財を投じて堤防を作り、このことで、村人の雇用が守られ、村に残り、いまの広川町につながっている。関東大震災から今年で100年。この時の復興も、皆の協働によって成し得たもの。皆さんもお互い助け合っていくことを大切にしてほしい」と呼びかけました。
主催した県BBS連盟と和歌山市BBS会は、来年も開くことにしています。