ごりょう語り部ジュニア 2023年度も開講
2023年06月27日 19時26分
江戸時代末期の安政の南海地震で、紀州広村、現在の広川町が津波に襲われた際、稲わらに火をつけ、村人を高台に誘導したとされる偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)を学ぶ「ごりょう語り部ジュニア」が今年度(2023年度)も始まり、今月(6月)24日、開講式が開かれました。
この取り組みは、生誕200年を迎えた濱口梧陵の功績を次の世代を担う子どもたちに伝えていこうと、広川町教育委員会が、2018年度から毎年度、開いているもので、今年度から講座の名前が「ごりょう語り部ジュニア」となり、広川町日本遺産ガイドの会のメンバーが子どもたちの指導にあたっています。
今回は、過去最多の17人が受講していて、24日に広川町中央公民館で開かれた開講式には、15人が出席しました。
また、この取り組みでは、昨年度から英語での学習を取り入れていて、開講式で挨拶したガイドの会の熊野亨(くまの・とおる)会長は、「今年度のスローガンは、『グローバルに語り継ごう ごりょうさんの想い』で、広く世界に、地球規模で語り継いでいこうという意味。子どもたちと一緒に、親御さんも参加して梧陵さんについて学んでほしい」と呼びかけました。
開講式の後、広川町日本遺産ガイドの会のメンバーで、ごりょう語り部ジュニアの担任を務める佐々木博子(ささき・ひろこ)さんが、安政の南海地震が発生した1854年当時を描いた「安政聞録(あんせいもんろく)」の絵図と、その6年後の広村の様子を描いた絵を見比べるなど、今後、学ぶ内容を簡単に紹介し、「ごりょう語り部は、梧陵さんと他の人とをつなぐ人。梧陵さんの残した人命尊重の精神と、広村を深く愛した郷土愛を伝えてほしい」と述べました。
ごりょう語り部ジュニアの子どもたちは、今後、濱口梧陵が私財で作った広村堤防の見学や稲むらの火の館での講義などを受け、来年1月末に、英語や日本語で梧陵についてのまとめを発表することになります。
参加した児童のうち、初めて参加した5年生は、「梧陵さんについて、いま知っている以上のことを調べて、知らない人に伝えたい」と話し、去年も参加した6年生は、「梧陵さんの堤防づくりなど、大事な事をもう一度、学んで、語り部をしていない人など、知らない人に伝えたい」「去年は、頑張って練習したのに発表会を休んでしまったので、今年は参加したい」と話していました。
熊野会長は、「英語を学んで世界に目を向けるべしという梧陵さんの想いを受け継ぐためにも、英語での学習を取り入れています」とした上で、「子どもたちには、語り部になってほしいというわけではなく、大人よりも詳しく答えられるようになるなど、梧陵さんについて深く知り、ふるさと広川町には、偉大な人がいることを誇りに思ってほしい」と話しました。