盲学校で鮎つかみ体験 今年は炭焼きの鮎を食す
2023年06月22日 20時34分
目の不自由な子どもたちが通う和歌山県立和歌山盲学校できょう(6月22日)、鮎つかみの体験が行われ、子どもたちは、ヌルヌルする鮎の感触を体験した後、炭で焼いた鮎を食べました。
これは、目の不自由な子どもたちに、これから旬を迎える鮎に触れて、形や手触り、大きさを実感してもらおうと、県立和歌山盲学校が、紀の川市で養殖鮎の放流を行っている県・内水面漁業協同組合連合会の協力を得て行ったものです。
2014年度から毎年行われてきたこの取り組みは、新型コロナウイルス感染症の影響で2年間、中止となり、去年、3年ぶりに復活したものの、焼いて食べることはできていませんでした。
きょう午前、和歌山市府中の和歌山盲学校で行われた鮎つかみ体験には、3歳から18歳までの13人が参加し、玄関前に設置された仮設のいけすにおよそ120匹の鮎が放流されると、裸足でいけすに入り、素早く泳ぐ鮎を夢中になって追いかけ、素手でつかみ、捕まえた鮎の臭いや、表面の手触りなどを確認していました。
参加した子どもたちは、「鮎は硬くてザラザラしていました」「ヌルヌルしていて、匂いをかぐと、鮎の匂いがしました」「鮎を食べたらおいしかった。去年は食べられなかったので、うれしかった」と話しました。
また、今年は4年ぶりに、炭で焼いた鮎を食べることができ、なかには、おかわりして3匹を平らげる男の子もいました。
盲学校まで鮎を搬送して、鮎つかみの体験や試食を実施した県・内水面漁業協同組合連合会の中井菊夫(なかい・きくお)さんは、「皆さんに喜んでもらえて力になります。鮎は、うろこが大きくなく、ヒレにトゲもないので、触ってもけがをすることがなく、匂いもスイカやキュウリのようないい匂いがします。鮎の塩焼きは、ほかのイベントでも、小さなお子さんがおかわりしてくれて人気です」と話していました。
和歌山盲学校の鎌田貴志(かまた・たかし)教諭は、「目の見えない子が感じるには、しっかり触ることが大切で、見えにくい子にとっても、匂いや肌感覚で感じることができるので、こうした体験は、とても貴重です。できれば、来年も、子どもたちにさせてあげたい」と話していました。