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アセトアミノフェンの急性肝障害にシベレスタットが効果・県立医大法医学教室の研究で

2023年05月29日 18時55分

福祉・医療

市販の解熱鎮痛剤の主成分・アセトアミノフェンによる急性肝炎などの肝障害に対して、急性肺障害の改善に用いられる医薬品「シベレスタット」に含まれる成分に効果があることを、和歌山県立医科大学の法医学講座が発見しました。

きょうの記者発表のもよう(5月29日・和歌山県立医科大学)

アセトアミノフェンは「カロナール」など市販の多くの解熱鎮痛剤やかぜ薬の主成分で、薬局や量販店で簡単に入手できますが、一度に多量に服用すると、薬物性肝炎などの症状を引き起こします。新型コロナ禍の際には、発熱や頭痛、喉の痛みなどの緩和のため解熱剤やかぜ薬に大量の需要が生じるとともに、常用による肝障害も増加しています。

法医学講座の近藤(こんどう・)(とし)(かず)教授と石田裕子(いしだ・ゆうこ)准教授らの研究グループは、体内で炎症が起きた際に免疫内で放出される「好中球(こうちゅうきゅう)エラスターゼ」という酵素に着目し、アセトアミノフェンを過剰に投与したマウスに、好中球エラスターゼを阻害する成分が含まれる医薬品「シベレスタット」を投与したところ、肝障害が軽減したことがわかりました。

近藤教授(右)と石田准教授(左)

近藤教授と石田准教授は「身近な医薬品だけに、高齢者など耐性の低い患者の中毒や、子どもの誤飲、オーバドーズなども多い。今後、好中球エラスターゼの役割が今後の研究でより明らかになれば、シベレスタットの臨床応用が大いに期待できる」と話しています。

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