去年11月に火薬原料購入、首相襲撃事件15日で1か月
2023年05月14日 10時55分
和歌山市の岸田総理大臣の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、火薬類取締法違反の疑いで再逮捕された男が、去年(2022年)11月頃に火薬の原材料を購入していたことが、捜査関係者の話で分かりました。男が選挙制度を巡って起こした裁判で敗訴となった時期と重なり、選挙制度への不満が事件の動機につながった可能性もあります。
先月(4月)15日、和歌山市雑賀崎(さいかざき)の岸田総理の演説会場に爆発物を投げ込み現行犯逮捕された木村隆二(きむら・りゅうじ)容疑者24歳は、その後、爆発物に使う火薬を許可を受けずに製造したとして、再逮捕されました。警察が容疑者の自宅にあった黒色火薬の成分を含む粉末の入手経路を調べたところ、去年11月頃に原材料を購入していたことが分かりました。
容疑者は、年齢などを理由に、参議院選挙に立候補できなかったのは、憲法違反だとして、国に賠償を求める訴えを起こし、去年11月に神戸地裁が、請求を退けていました。警察は容疑者がこの頃、火薬の製造を始めたとみています。
事件はあす(15日)で、発生から1か月となり、警察は殺人未遂の疑いも視野に入れて、捜査を進めています。