いかだで緩急のスリル 北山村「観光いかだ下り」始まる
2023年05月03日 18時21分
全国唯一の飛び地の村、北山村できょう(3日)、丸太を組んだいかだに乗って川を下り、急流のスリルと渓谷美を楽しむ観光いかだ下りが始まりました。
初日のきょう(3日)は、出発に先立って乗船場となっている河原で神事が行われ、シーズン中の安全を祈願しました。
このあと、救命胴衣を身に着けた乗客は、いかだに乗り込んで川を下り、豪快な水しぶきを浴びるたびに歓声を上げていました。
観光いかだ下りは、かつて、木材の輸送手段だった「いかだ流し」を、1979年に北山村が観光用に復活させたもので、去年までにおよそ23万人が楽しんでいます。
杉の丸太で組んだ全長30メートルのいかだを使い、熊野川(くまのがわ)の支流の北山川(きたやまがわ)およそ5・5キロを筏師(いかだし)の竿(さお)さばきだけで下ります。
急流下りのイメージがありますが、いかだ下りは、流れのはやい「瀬(せ)」と、流れが穏やかな「淵(ふち)」を交互に楽しむアトラクションとなっています。
東京から訪れた40代の女性と39歳のアメリカ人男性は、「ビショビショになりましたが、とても楽しかったです。ジェットコースターみたいですごくいい思い出になりました」「こんな風景を体験したのは初めてで、すごくきれいでした」と話していました。
運航責任者の山本正幸(やまもと・まさゆき)さんによりますと、今年3月の京都・保津川下りの転覆死亡事故を受け、乗客の救助訓練などを集中的に実施して安全に万全を期したということです。
山本さんは「今年は川のコンディションが良い。山々の緑に包まれる癒やしの時間と急流のスリルを楽しんでほしい」と話していました。
料金は大人6600円、小学生3300円で、完全予約制となっていて、乗船できるのは10歳から75歳までです。
問い合わせは北山村観光センター、電話0735(49)2324で受け付けています。