和歌山市中心部で夜間避難訓練 3・11実施
2023年03月13日 19時42分
東日本大震災の発生から12年となったおととい3月11日、夜間に災害が発生した場合に備えた避難訓練が、和歌山市の中心部で行われ、地区住民が参加しました。
これは、廃れていく商店街などを民間の力で建て直し、市民が安心して暮らせる街、持続可能な地域活性化をはかろうと設立された和歌山まちづくり財団が、去年6月に続いて主催したものです。
夜間の避難訓練は、参加人数を制限するため、和歌山市の本町自治会の一部を対象に行われ、避難場所となっている本町公園に集合した親子連れを含むおよそ60人が、防災講習の会場となったフォルテワジマへ向けて歩き始めました。
訓練では、和歌山市の落語家で防災士や応急手当普及員の資格を持つ桂枝曾丸(かつら・しそまる)さんが、参加者に、避難の途中で転倒しないよう、しっかりと足をあげて歩くよう指導するとともに、移動中に懸念される被災のリスクを想像しながら歩くよう呼びかけていました。
参加者は、フォルテワジマに到着すると、真っ暗な階段を4階までのぼり、イベントホールで夜間の避難訓練を振り返り、心肺蘇生の講習を受けました。
訓練には、地元の自治体や警察、消防が協力し、和歌山西警察署の警察官が、災害発生時に自宅を出る際の注意点などを話したほか、和歌山市消防局の職員が、胸骨圧迫による心肺蘇生法や、AED・自動体外式除細動器の使い方について、参加者を3つのグループに分けて指導しました。
また、和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長も駆け付け、「4月末には、新しい防災のハザードマップを配布することにしているので、自分の住んでいる場所にどんな危険があるのか、把握してほしい」と呼びかけました。
和歌山市では、今後、市報の5月号とともに防災マップを戸別に配布することにしています。
母親とともに訓練に参加した小学6年と4年の児童は、「非常持ち出し袋の準備ができていないので、もらった紙をみて準備したい」「災害が起きた時には、自動車に乗らずに歩くようにしないと渋滞することなど、新たに知ったことがあり、勉強になった。AEDを使う時には、協力し合うのが大事とわかったので、みんなで助け合って生存率を高めたい」と話していました。
和歌山まちづくり財団の木村圭一(きむら・けいいち)理事長は、「阪神大震災や東日本大震災を経てきましたが、喉もと過ぎると、防災袋の準備も不十分になりがちになっているので、防災の取り組みを始めるきっかけづくりを財団が担おうと、自治体や警察、消防に呼びかけて実施しています。これからも年に2回程度、実施していきたい」と話しました。