直下型地震想定訓練 近大生物理工学部で実施
2023年02月25日 18時14分
那賀地域の警察や消防、大学生らが参加した直下型地震を想定した訓練がきょう(2/25)、紀の川市の近畿大学生物理工学部の敷地で行われ、学生消防団や、女性でつくる消防分団が放水訓練にのぞみました。
訓練は、きょう午前10時に震度6強の直下型地震が発生しキャンパス内で火災が発生するとともに、自動車の中に人が閉じ込められているという想定で行われました。
訓練会場となった紀の川市西三谷の近畿大学生物理工学部の駐車場では、はじめに紀の川市危機管理消防課の職員が、ドローンを使って被災状況を撮影し、地上にあるモニターに映し出しました。そして紀の川市消防団本部近畿大学部の女子学生7人を含む大学生14人が、ポンプで汲み上げた水を5本のホースに分岐して放水しました。
この後、那賀消防組合・中消防署の救助隊員が、横転した車に閉じ込められた男性を救助する訓練が行われ、助け出された男性は、現場に駆け付けた和歌山県警航空隊のヘリコプターに、ケーブルで吊り上げられて収容されました。
また、災害時には後方支援に回ることになっている紀の川市消防団本部・女性分団のメンバー8人も訓練に参加し、3本のホースをつなぎあわせて放水しました。
訓練のあと、講評した那賀消防組合・中消防署の小西隆文(こにし・たかふみ)署長は、「きょうの訓練は、自分たちの活動と、その他の機関の活動を確認でき、有意義で実戦さながらの、質の高いものでした。南海トラフ地震がいつ発生するかわからない中、災害時に主力になるのは、共助の力、皆さんの力。これからも連携訓練を繰り返し、現場で活躍できるよう、ともに取り組んでいきましょう」と呼びかけました。
また、近大生物理工学部の古薗勉(ふるぞの・つとむ)学部長は、「学生が日々、訓練し努力する中、学部としても地域の防災にますます意識を高めているところ。警察や消防の協力で、那賀地域における防災の大きな砦となれるよう、今後も取り組んでいく」と挨拶しました。
学生消防団の大学3年生、河村琴葉(かわむら・ことは)さんは、「訓練では、ホースの先を持っていたので、強い風にあおられて水がかかり寒かったです。大災害時には、男性では躊躇してしまう女性への心肺蘇生など、女性ならではのサポートができると思うので、卒業まで消防団を続けたい」と話していました。
近畿大学生物理工学部の学生消防団には、去年4月から、9人の女性が加わり、男性とあわせて19人の学生が所属しています。