和歌山盲学校展スタート 高校生とコラボで「ワモーちゃん」
2023年01月19日 22時14分
和歌山県立和歌山盲学校の児童・生徒が工業高校の生徒の協力で制作した盲学校のマスコットキャラクターなどを展示する『和歌山盲学校展』が、きょう(1/19)から和歌山市の和歌山城ホールで始まりました。
県立盲学校には、マスコットキャラクターとして牛の着ぐるみを着たこどもの「ワモーちゃん」がありますが、これを、目の不自由な児童や生徒にもよりわかりやすくするため、和歌山盲学校が、立体的な「ワモーちゃん」を作ることを計画し、3Dプリンターで造形物を作ることのできる県立和歌山工業高校に依頼して実現したものです。
盲学校の教諭が作った紙粘土の「ワモーちゃん」を、和工の創造技術科で3Dプリンターを使ってプラスチック製の「ワモーちゃん」にした後、盲学校の児童・生徒が着ぐるみ部分の色を塗り、細かい塗装が必要な顔の部分を、和工・産業デザイン科の生徒が担当しました。
展示会初日のきょうは、会場となった和歌山城ホール3階の多目的室には、制作に関わった和工・産業デザイン科の生徒8人のうち、3人の女子生徒が訪れ、完成した「ワモーちゃん」を確認し、そのほかにも展示されている盲学校の児童・生徒が制作した作品や、学校生活を写した写真について、小学部の児童から説明を受けていました。
自ら色を塗った「ワモーちゃん」に「イエロー」という名前をつけた県立和歌山盲学校・小学部5年の白樫栄人(しらかし・えいと)さんは、「お兄さんとお姉さんが上手に顔を描いてくれて、うまくできました。ワモーちゃんに触ることもできてうれしい。展示会場にも来てほしい」と話していました。
県立和歌山工業高校2年で産業デザイン科の狗巻愛(いぬまき・あい)さんと三宅心那(みやけ・ここな)さん、門田陽(もんでん・ひなた)さんの3人は、「表情が暗くならないよう、頬に色を入れたりして個性を出せるよう頑張りました」「顔に塗るのが難しかったので、目や口の色がはみ出さないよう気をつけました」「とてもかわいい人形だったので、頭にリボンをつけました」などと感想を話し、盲学校とコラボした作品作りについては、「貴重な体験になりました」と振り返っていました。
今回の展示会を担当した県立盲学校の長井恵李(ながい・えり)教諭は、「高校生の皆さんが、すごく素敵な顔を描いてくれたので、自分たちで色を塗った作品が、より魅力的になって帰ってきて、子どもたちは皆、喜んでいました」と話しました。
和歌山盲学校展は、今月29日まで和歌山市の和歌山城ホール3階多目的室で開かれています。