和歌山市高松地区で災害用トイレを学ぶ自主防災訓練
2022年11月23日 12時40分
和歌山市南部の高松地区で、祝日のきょう(23日)自主防災訓練が行われ、参加者が災害用トイレの設置方法や重要性を学びました。
訓練は、和歌山市高松地区自治会が和歌山市や和歌山大学などの協力で行われ、訓練会場の和歌山市立高松小学校の校庭では、和歌山市の職員が災害用の仮設トイレの設置方法を説明しました。
職員は、溜まった汚物を流すための水を汲む非常用井戸の手動ポンプの実演を行い、タンクに水が貯まるまで1時間ほどかかることから、水道や電力が復旧するまでは、避難者が交代で汲み上げるよう協力を求めました。
また体育館では、防災を研究している和歌山大学の宮定章(みやさだ・あきら)特任准教授のミニ講演が行われ、東日本大震災や熊本地震などの教訓や、和歌山市で予想される地震被害などを紹介したほか、災害用トイレの課題などを指摘しました。
宮定准教授は「東日本大震災のとき、非常用トイレが3日以内で届いた自治体は3割程度で、長いところでは3か月あまりかかった所もある。南海トラフ巨大地震も同じような規模とされるので、和歌山市民も最低限の備蓄にトイレを含めて欲しい」と呼びかけました。
親子で参加した40代の男性は「高松小学校に非常用トイレがある事を知りませんでした。きょうは訓練ですが、実際地震が起きたとき、避難者がどれくらい来るのか、トイレの数や水の状況が追いつくのか気になりました。仮設トイレを設置する際に、設置方法を知っている人が何人いるかや、役割分担などを普段から把握することが鍵になると思う」と話していました。
和歌山市では、避難所1か所につき災害用トイレ5基を装備し、現在44の避難所で520基あり、将来的には99か所に増やす予定です。