交通事故で死亡の女性の両親、検察審査会に申し立て
2022年11月01日 20時12分
和歌山市の紀の川大橋で去年7月に起きた多重事故で、死亡した女性の両親がきょう(11/1)、危険運転致死の疑いで逮捕された女性を不起訴とした和歌山地方検察庁の処分を不服として、検察審査会に申し立てました。
この事故は、去年7月、50代の女性が運転する乗用車が蛇行運転して前方の車に追突するなどした後、対向車線にはみ出して和歌山市のアルバイト、竹田汐里(たけだ・しおり)さん当時22歳のミニバイクに衝突したもので、竹田さんが死亡しました。
県警は、50代の女性に、持病のてんかんの発作が出て事故を起こしたとみて、逮捕、送検しましたが、和歌山地検は、今年8月、嫌疑不十分で不起訴としました。
この処分を不服として、竹田さんの両親が、きょう午後、代理人の弁護士とともに和歌山地方裁判所を訪れ、和歌山検察審査会に申立書を提出し、受理されました。
提出した後、父親の正義(まさよし)さんが取材に応じ、先月(10月)、捜査資料の一部が開示されたことを明らかにした上で、「今回、開示された捜査資料には、状況証拠がかなりそろっていたにもかかわらず、なぜ過失致死にも問えなかったのか、納得できない。そして、もっと納得できないのは、この内容を不起訴だからという理由で公表できないこと。公表するためには、刑事裁判にするしかなく、刑事裁判で全容を明らかにしたい。今回の申し立てを受けて、検察庁には、検察審査会の結果が出る前に、自発的に再捜査し、起訴に向けて方向転換してほしい」と訴えました。
また、正義さんは、検察審査会に対し、「委員の皆さんにも、家族がいると思うが、もし、自分の家族が同じ立場になったら、普通にあると思っていた明日(あした)が、ある日突然、なくなったら、ということを考えて判断していただきたい」と強調しました。