闇夜に松明の明かり 稲むらの火祭り3年ぶり開催
2022年10月23日 15時59分
江戸時代末期の安政の南海地震で、稲むらに火をつけて津波から村人を救った広川町の偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)の功績をたたえる「稲むらの火祭り」が昨夜(10/22)、広川町在住者らの参加に限って3年ぶりに開催され、およそ400人が、闇夜に幻想的な松明の列を作りました。
稲むらの火祭りは、広川町の役場前で採火式が行われた後、広川町内外からの参加者が、廣八幡宮までのおよそ2キロを、松明の明かりを持って練り歩くもので、2003年から毎年、行われてきましたが、おととし(2020年)は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて採火式の後、地元の小学生10数人が歩くにとどまり、去年(2021年)は、採火式のみ行われ、祭りとしては、『中止』とされていました。
今年は、広川町に住む人と、広川町で勤務する人に限って希望者を募り、採火式の後、およそ400人が松明を持って役場前を出発しました。
廣八幡宮までの道のりにある田んぼでは、松明を持って先頭を歩く数人が稲むらに火をつけ梧陵の行動を再現する場面もあり、参加者は、足をとめて3年ぶりに燃え上がる稲むらを見つめていました。
稲むらの火祭り実行委員会の佐々木公平(ささき・こうへい)委員長は、「今年は、広川町民らだけの参加でしたが、開催できてよかったし、来年は、もっと盛大にやりたい。こうして続けていくことが大切で、梧陵さんも喜んでくれると思います」と話していました。
また、実行委員会の熊野亨(くまの・とおる)事務局長は、「3年ぶりの開催で準備が大変でしたが、無事、終えることができてほっとしています。来年は、新型コロナの感染状況次第ですが、町外、県外の人にも募集をかけたい」と話していました。