熊野古道に「山里の貴婦人」田辺市本宮町
2022年10月16日 14時36分
田辺市本宮町の熊野古道沿いで、キイジョウロウホトトギスの黄色い花が咲き、山里に秋の深まりを告げています。
キイジョウロウホトトギスは、ユリの仲間の多年草で、紀伊半島南部の固有種ですが、絶滅危惧種に指定されています。そして、優雅な姿から江戸時代の大奥女中の位の高い役職名の上臈(じょうろう)と、花の内側の模様が杜鵑(ほととぎす)に似ていることからこの名がついたとされ、凛とした佇まいから、「山里の貴婦人(きふじん)」とも呼ばれています。
田辺市本宮町の熊野古道、伏拝(ふしおがみ)茶屋前の石垣に植えられたキイジョウロウホトトギスは、垂れ下がる茎に、釣り鐘状のつややかな黄色い花がいくつも開いていて、古道歩きの人たちに秋の深まりを告げるとともに、ひととき、やすらぎをもたらしています。