特殊詐欺の未然防止で 銀行に感謝状贈呈
2022年09月29日 19時08分
銀行でスマートフォンを触りながら座っていた男性客に声をかけ、特殊詐欺を未然に防いだとして、和歌山西警察署はきのう(9/28)、2人の銀行員に感謝状を贈りました。
感謝状を贈呈されたのは、三菱UFJ銀行和歌山支店の支店長代理、中河原英樹(なかがわら・ひでき)さんと、窓口業務を担当している松島妙子(まつしま・たえこ)さんの2人です。
松島さんは、今年8月1日の午後2時頃、銀行で座ってスマートフォンを操作している60歳代の男性に気づき、その動作が数十分にわたって続いたことから声をかけたところ、「バニラというところへお金を振り込まなければならないが、振込先がわからない」と話したため、詐欺を疑い、中河原さんに報告しました。そして中河原さんが男性客に確認したところ、「インターネットサイトの料金未払いで強制執行されそうになっている」などと説明したため、男性客が詐欺被害に遭っていると判断し、和歌山西警察署に通報して特殊詐欺の手口と確認されました。
感謝状を受け取った中河原さんは、「銀行員として当然のことをしたまでと思っていたので、感謝状をいただき、びっくりしましたが、今後の仕事の励みになります。金融犯罪からお客様を守るという使命を、引き続き持って業務にあたっていきたい」と話し、松島さんは、「感謝状をいただいたのは初めて。高齢のお客様が増えているので、今後、ますます声掛けを積極的に行っていきたい」と話していました。
また、今回の被害防止に至った経緯について、中川原さんは、「お客様の話を聞いたところ、教科書通りの怪しい話でした。最初に対応した松島さんが、アンテナを高く感度もいい初動をしてくれました」と話し、松島さんは、「長い間、悩んでいるようだったので、お客様に声をかけ、おかしいなと思い、中川原代理に伝えました。声をかけて何も問題がなければ、失礼しました、と言って下がるようにしているので、声をかけることに臆することはありません」と話していました。
和歌山西警察署の川上和彦(かわかみ・かずひこ)署長は、「特殊詐欺の被害が絶えない中、このように阻止してもらい、大変感謝しています。迅速に対応するので、ちょっとおかしいなということがあれば、警察に通報してもらいたい」と呼びかけました。
和歌山西警察署の管内では、今年に入ってこれまで、およそ9ヶ月間に、12件、被害総額1600万円の特殊詐欺被害が確認されていて、去年1年間に発生した5件、848万円の被害を大きく上回っています。
また、県内全体でも、今年、これまでに確認された特殊詐欺の被害は、70件、およそ1億500万円にのぼっていて、すでに去年一年間の59件、9000万円余りを上回っています。