収賄罪で公判中の海南市職員、懲戒免職処分
2022年08月26日 18時22分
海南市はきょう(8/26)、市発注の設計業務などで有利な取り計らいをした見返りに現金を受け取っていたとして、収賄などの罪で起訴され、初公判で事実を認めた海南市の職員について、きょう付で懲戒免職処分にしたと発表しました。
免職処分となったのは、海南市まちづくり部企画員の木下知海(きのした・ともうみ)被告46才です。
都市整備課の建築係長をしていた木下被告は、消防器具置き場の耐震改修工事や市民会館除却工事、小中学校のトイレ改修工事などの設計委託業者の選定を巡り、和歌山市の建築設計会社が受注できるよう便宜をはかるとともに、この会社の下請けとして、設計業務を行うなどして、あわせて400万円余りを受け取っていたとされていて、おととい24日の初公判で、起訴内容を認めていました。
きょう午後、市役所で記者会見した海南市の神出政巳(じんで・まさみ)市長は、「海南市の職員が収賄事件を起こしたことは、法を守るべき立場にある公務員としてあるまじきことであり、市民の皆さまをはじめ、多くの皆さまの市政への信頼を損ない、深くお詫び申し上げます」と述べ、深々と頭を下げました。
その上で、神出市長は、「今年2月3日の逮捕以来、木下被告と接触できず、事実関係の把握ができていなかったが、おとといの初公判で本人が起訴事実を認め、きのう面会できたことから、きょうの処分に至った」と述べ、木下被告を懲戒免職処分とするとともに、収賄につながる不適切な事務処理を行うなどした12人を、ボーナスカットを含めた戒告処分とし、2人を訓告処分としたことを明らかにしました。
また、神出市長は、市長と副市長の給料を減額するため、必要な議案を海南市の9月定例議会に提出する方針を示し、議会で認められれば、10月から3ヶ月間、毎月給料の10分の1がカットされます。
また、神出市長は、「この度の不祥事を重く受け止め、再び起こることのないよう、服務規律と法令順守の徹底を指示した」と述べた上で、再発防止策については、すでに組織体制や人事の見直しなどを行うとともに、大学教授や弁護士ら外部の有識者を含めた職員不正事案再発防止検討会を今年4月に設置し、対策を検討していることを強調しました。