設計業務で収賄罪の海南市職員 起訴内容認める
2022年08月24日 15時55分
海南市が発注する設計業務などで有利な取り計らいをした見返りに現金を受け取っていたとして、収賄などの罪で起訴された海南市の職員に対する初公判がきょう(8/24)、和歌山地方裁判所で開かれ、男は起訴内容を認めました。
収賄と組織犯罪処罰法の罪で起訴されているのは、海南市まちづくり部企画員の木下知海(きのした・ともうみ)被告46才です。
起訴状によりますと、木下被告は、都市整備課の建築係長をしていた2019年、消防器具置き場の耐震改修工事や市民会館除却工事、小中学校のトイレ改修工事などの設計委託業者の選定を巡り、和歌山市の建築設計会社が受注できるよう便宜をはかるとともに、この会社の下請けとして設計業務を行うなどして、あわせて400万円余りを他人名義の口座経由で受け取っていたとされています。
きょうの初公判で、木下被告は、「間違いありません」と起訴内容を認めました。
検察側は、冒頭陳述で、「木下被告は、実質的に業務の契約方法を決める立場にあり、入札の必要がない随意契約や請書契約で選定できるようにしていた」とした上で、「海南市の業務を受注することで確実に利益と受注実績を得られる建築設計会社と、下請けで業務を受け利益を得られる木下被告は、持ちつ持たれつの関係で、 繰り返し行っていた」と指摘しました。
また、検察は「木下被告は、公務員の給料の低さに不満を持っていた」と指摘しました。
次の公判は、9月6日に開かれます。
木下被告の初公判が開かれたのを受けて海南市の神出政巳(じんで・まさみ)市長がコメントを発表し、「職員が起訴事実を認めたところであり、甚だ遺憾」とした上で、「本人や関係者の処分については、初公判の内容を踏まえ、厳正に対処する」としています。