国の登録有形文化財に県内の建造物5件追加
2022年07月25日 18時52分
国の文化審議会は、このほど、和歌山市の旧・東山東(ひがしさんどう)農業協同組合事務所や、かつらぎ町の堀越癪観音庫裏(ほりこししゃくかんのん・くり)など、5件の建造物を登録有形文化財に指定するよう、末松信介(すえまつ・しんすけ)文部科学大臣に答申しました。
このうち、和歌山市山東(さんどう)にある旧・東山東農業協同組合事務所は、1948年(昭和23年)に建設され、1965年(昭和40年)以降は住宅として使用されたのち、去年(2021年)改修され、現在はNPO法人が地域交流拠点「まんなか」として活用しています。かつて、二階建ての1階が事務所、2階が広間や電話交換室、放送室などとして使用され、山東地区の農村の賑わいを伝えています。
かつらぎ町東谷(ひがしたに)の堀越癪観音庫裏は、日本遺産に認定された「葛城修験(かつらぎしゅげん)」の構成文化財で平屋建て、入母屋造(いりもやづくり)、茅葺(かやぶき)で、屋根の葺き替えや床の修理なども施され、歴史的景観の維持に寄与しています。
湯浅町の旧・堀田茶舗(ほったちゃほ)の店舗・座敷棟(ざしきとう)・土蔵(どぞう)の3件は、江戸末期、熊野古道沿いに建てられたお茶の商人・堀田家(ほったけ)の店舗兼住宅で、現在は湯浅町が所有し休憩所として活用されていて、町の名士の歴史と景観を現代に伝えています。
これらが登録されると、県内の国の登録有形文化財の建造物は116か所・316件になります。