南方熊楠の着用コート 奈良市で修復し記念館へ戻る
2022年07月20日 20時01分
和歌山県出身の博物学者、南方熊楠(みなかた・くまぐす)が着用したとされる黒いフロックコートがこのほど(7/14)、白浜町の南方熊楠記念館に戻りました。
記念館によりますと、このコートは、熊楠がイギリスで仕立てたものとされていて、昭和天皇が1929年に和歌山県を訪れた際などに本人が着用していたということです。
コートは、去年から、奈良市の元興寺(がんごうじ)文化財研究所で修復作業が行われていたもので、研究所では、生地が薄くなって破れそうになった部分を、和紙などを使った繊細な作業で、継ぎ当てのような見栄えにならないよう回復させた一方で、本来の風合いを残すため、色あせはそのままにしました。
南方熊楠記念館は、去年の秋、インターネット上で修復費のおよそ120万円を集めた経緯があり、髙垣誠(たかがき・まこと)館長は、「たくさんの方々の支援に感謝している」と語り、コートを常設展示する方針です。