6月の企業倒産状況「倒産増勢の可能性否定できない」
2022年07月06日 19時34分
民間の信用調査機関・東京商工リサーチ和歌山支店によりますと、先月(6月)和歌山県内で1000万円以上の負債を抱えて倒産した企業は10件、負債総額は2億2000万円となりました。新型コロナウイルスの関連倒産は製造業で1件あり、件数は過去10年間で2番目に多くなり、負債総額は過去10年間で4番目に少なくなりました。
地域別では、和歌山市・紀の川市・海南市・橋本市と、紀北地域に集中しました。業種別の内訳は建設業、製造業、小売業、サービス業などで、このうち販売不振が9件でした。
東京商工リサーチ和歌山支店は今後の見通しについて「県内の企業倒産は、4か月連続で前の年の同じ月を上回っている。原油価格の高止まりと円安進行で原材料・資材価格が上昇し、ロシア・ウクライナ問題も長期化するなど、様々な物価の上昇圧力が強まっている。大手はコスト上昇分の価格転嫁を進められるが、価格競争力の乏しい中小企業では容易に価格転嫁できず、収益への影響が危惧される。コロナ禍での各種資金支援策が倒産抑制に効果をもたらしてきたが、いわゆるゼロ・ゼロ融資の返済が始まる企業も増え、過剰債務に陥る企業があり、業績回復が遅れた企業の息切れ倒産だけでなく、廃業を選択する企業も増え始めていて、企業倒産が増勢に転じる可能性は否定できなくなってきた」と分析しています。