新宮下本町遺跡など3件が国指定文化財に答申

2022年06月17日 18時18分

歴史・文化

国の文化審議会がきょう(17日)開かれ、新宮市(しんぐうし)の新宮下本町(しんぐうしもほんまち)遺跡を国指定文化財に、既に指定されている熊野参詣道(くまのさんけいみち)と和歌山城の構成物を追加で指定するよう、末松信介(すえまつ・しんすけ)文部科学大臣に答申しました。

新宮下本町遺跡の航空写真(写真提供:新宮市)

新宮市の新宮下本町遺跡は、熊野川(くまのがわ)の河口からおよそ2キロの場所にあり、12世紀後期から16世紀中頃にかけて、熊野三山(くまのさんざん)による太平洋航路を利用した各地との交易拠点となった港の遺跡です。

川原へと下る石段通路と石垣(写真提供:新宮市)

熊野川に面した自然堤防の斜面に石垣をつくり、地下式倉庫群や鍛冶遺構(かじいこう)、石段を伴う通路などが発掘され、中世以降、太平洋航路の重要拠点だった新宮が、海上交易とともに熊野信仰の広がりをもたらす経済的な基盤となったことを表しています。

逆川王子跡境内の全景(写真提供:湯浅町)

一方、追加指定された2件のうち、熊野参詣道では、いずれも紀伊路(きいじ)で、湯浅町(ゆあさちょう)の逆川王子跡(さかがわおうじあと)と、日高町(ひだかちょう)の鹿ヶ瀬峠(ししがせとうげ)、印南町(いなみちょう)の切目王子跡(きりめおうじあと)、それに、みなべ町の千里王子跡(せんりおうじあと)と、千里王子跡北東参詣道(ほくとうさんけいみち)が追加指定されました。

和歌山城扇の芝(城の手前の建物群付近)(写真提供:和歌山市)

また和歌山城では、扇の芝(おうぎのしば)の463平方メートルあまりの部分が追加指定されました。

和歌山県内の国指定文化財の史跡は、特別史跡で和歌山市の岩橋千塚古墳群(いわせせんづかこふんぐん)を含め、これで31件となる見込みで、正式に決定後、官報で告示される予定です。

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