【新型コロナ】第6波・オミクロン株と3回目ワクチン
2022年04月27日 19時51分
新型コロナウイルス感染の第6波について分析した和歌山県はきょう(4/27)、オミクロン株のBA・2に感染した人が重症化する割合は、BA・1と比較して高くない可能性があり、3回目のワクチン接種には重症化予防の効果があることを指摘しました。
県によりますと、今年(2022年)1月から始まった感染の第6波は、2月初旬に一度ピークに達した後、減少しましたが、3月下旬に再び上昇に転じ、4月中旬に2度目のピークを迎え、現在は減少傾向となっています。この要因として、県は、ワクチンの3回接種による発症予防効果と、年度の変わり目による人の流れの変化が影響しているものとみています。
また、オミクロン株について、和歌山県内では、BA・2の感染者が2月に初めて確認された後、3月下旬から増加しています。疑いも含め、これまでの抽出検査で231人のBA・2感染が確認されていて、県内で確認される感染者の7割程度がBA・2に置き換わりつつあるとみられています。BA・2の感染者は50歳代以下が8割以上で、肺炎を併発した人は3%にとどまっていて、県は、重症化する割合は、BA・1と比較しても高くない可能性があるとしています。
一方、ワクチンの効果については、今年3月以降に新型コロナウイルスに感染した1万1千人余りのうち、ワクチンを3回接種した人は全体の14%だったほか、2回接種済みの人が40%、一度も接種していない人が38%で、ほぼ同数でした。特に、ワクチンの3回接種を早くに受けた65歳以上の高齢者では、64歳以下の年代と比べて3回接種した人の感染割合が高く、接種後、時間が経過したことで、ワクチンの効果が弱まったことや、オミクロン株のBA・2の流行が影響しているとみられています。
また、これまでに新型コロナウイルスに3度、感染した人が県内で3人確認されていて、オミクロン株のBA・1に感染した後、さらにBA・2にも感染する可能性があるとしています。
ただ、高齢者でも、3回のワクチン接種を済ませた人は、ワクチン接種が2回以下の感染者と比べて酸素投与に至る割合が低く、死亡する割合も減少していることから、重症化予防の効果があると考えられるとしています。
県福祉保健部の野尻孝子技監は、「ワクチンの3回接種は、地域全体の感染を予防する効果や、個人の重症化を予防する効果はあるが、発症を完全に予防する効果はなく、ワクチン接種をしていても感染することや、他人に感染させてしまうことを十分認識する必要がある」とした上で、一人一人が感染予防策を継続して実施することやリスクの高い行動を控えること、早期受診などを徹底するよう呼びかけました。