和歌祭を前に和歌山大学で御船歌を披露

2022年04月13日 17時41分

イベント教育歴史・文化

紀州徳川家ゆかりの初夏の祭礼「和歌祭(わかまつり)」が、ことし(2022年)も開かれるのを前に、きょう(13日)和歌山市栄谷(さかえだに)の和歌山大学で、祭の渡御行列(とぎょぎょうれつ)で唄われる「御船歌(おふなうた)」が、学生らの前で披露されました。

図書館前で御船歌を披露する一行(4月13日・和歌山大学)

和歌祭は、徳川家康をまつる和歌山市和歌浦(わかうら)の紀州東照宮で毎年5月に行われている例大祭で、今から400年前、江戸時代の元和(げんな)8年・西暦1622年に始まり、見どころのひとつは、紀州の武勇や、紀州人の心意気を表現した行列が、神輿(みこし)に従って市内を練り歩く渡御行列です。御船歌は、行列の種目のひとつ「唐船(とうぶね)」が出るときに唄われるお囃子ですが、1980年に途絶えてしまいました。

その後、御船歌の録音や、後継者の証言、資料が見つかり、これらをもとに、和歌山大学紀州経済史文化史研究所の吉村旭輝(よしむら・てるき)准教授らが、2010年、30年ぶりに御船歌を復活させました。

唐人の衣装を着た留学生

あわせて、和歌山大学の留学生が、同じく渡御行列の種目のひとつで、外国人を表す「唐人(とうじん)」として祭に参加するようになり、徐々に本来の渡御行列の姿を取り戻しています。

きょう午後、吉村准教授らが、和歌山大学図書館前で祭の装束で御船歌を歌い上げたほか、唐人の衣装を来た留学生らも彩りを添えました。

和歌山大学・紀州経済史文化史研究所の吉村准教授

吉村准教授は「400周年となることしは大きな節目のひとつ。これをきっかけに、今後もまつりの継承に繋げたい。コロナ禍で参加しにくい状況もあったが、今後は、学生にも主体的に参加してもらえるようにしたい」と話していました。

ところで、和歌山大学紀州経済史文化史研究所では、和歌祭の開催に先立ち、図書館3階で特別展を開いていて、平成に入って復刻された芸能の装束や、徳川家康の年回忌に関する資料などを展示しています。期間は、ことし6月3日まで、休館日は土日と祝日、それに図書館の閉館日です。

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