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地域で守り継がれた仏像展示はじまる 和歌山市

2022年01月29日 18時20分

イベント歴史・文化

地域で守り継がれた仏像などを展示する企画展「仏像は地域とともにーみんなで守る文化財ー」が和歌山市の県立博物館できょう(29日)からはじまりました。

和歌山県には各地の集落に多数の寺があり、祈りの対象である仏像が数多く残されていますが、集落の人口減少や高齢化が進み、寺社の日常的な管理が難しくなっていることなどから、仏像の盗難被害が県内で増加しています。

県立博物館によりますと、県内では2010年ごろにおよそ60ヵ所の寺などから計160体以上の仏像が盗難被害に遭うなど、10年ほど前から被害が急増しているということです。

今回の企画展は、仏像の盗難被害を受けて、積極的な防犯対策を進めるとともに、大切な文化財を失わないために、どう守っていけば良いかを考えるきっかけにしてもらおうと企画されました。

会場には、地域で守り継がれた仏像や、2018年3月に盗難被害に遭い、3か月後に転売先が判明して取り戻された紀の川市指定文化財「十一面(じゅういちめん)観音(かんのん)立像(りゅうぞう)」をはじめ盗難被害に遭った仏像など、81点が展示されています。

紀の川市指定文化財「十一面観音立像」台座・光背の修理後初公開
十一面観音立像を所蔵する西山観音堂の盗難被害を受けた当時の状況

そのほか、仏像の盗難を防ぐ活動の一環として、和歌山工業高校や和歌山大学と連携して製作した仏像のレプリカ「お身代わり(おみがわり)仏像(ぶつぞう)」を活用した保護の取り組みが紹介されています。

お身代わり仏像(左:複製 右:実物)

和歌山県立博物館の大河内智之(おおこうち・ともゆき)主任学芸員は「地域だけでなく、みんなで文化財を守るということが大切になってくる。この展示が地域の文化財を守るあり方を考えるきっかけになれば」と話していました。

企画展は3月6日まで和歌山市の県立博物館で開かれています。時間は午前9時30分から午後5時までです。

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