和歌山駅で初の不審者対応訓練 JR西日本和支社

2022年01月18日 20時05分

事件・事故社会

JR西日本和歌山支社はきょう(1/18)、列車内に不審者が現れたという想定で、JRの社員が、乗客の避難を誘導し、通報を受けた警察官が、暴れる不審者を確保する訓練を行いました。

刃物を手に車内を歩く不審者(訓練)

これは、去年8月に小田急線で、10月に京王線で、それぞれ乗客が刺されてケガをした事件を受けて、JR西日本和歌山支社が、和歌山県警察本部や和歌山東警察署と連携して初めて行ったものです。

訓練は、4両編成の回送列車を使って行われ、列車がJR和歌山駅近くでホームに向かって運行中、2両目に乗っていた不審者役の警察官が、大声を出しながら、刃物で乗客を威嚇し始め、3両目へ逃げた乗客役のJRの社員や警察官のあとを追って、車両を移動しました。

逃げまどう乗客
誰もいなくなった3両目で座る不審者

そして、3両目に乗っていた乗客の1人が、赤い非常ボタンを押して列車の乗務員室に異常を知らせ、乗務員が警察に通報しました。

停止した列車内では、不審者が3両目の座席に座り、乗客は4両目へ避難していましたが、その後、列車が再び動き始め、ホームに入りドアが開くと、乗客は、駅員の誘導で安全な場所へ避難し、不審者は、列車から降りてきたところを、待ち構えていた警察官に取り押さえられました。

列車を降りた後、軽査閲官に向かっていく不審者

訓練の後、立ち会った県警本部・地域指導課の井上英喜(いのうえ・ひでき)課長が「実際の場面では、乗客も思わぬ動きをするし、皆さんも異常なまでに緊張すると思います。そうした中で、皆さんが暴漢に襲われると、乗客の安全な誘導が阻害されるので、まずは自分自身の安全を確保し、速やかに事実関係を確認して通報してください。訓練では、速やかに確認作業が行われていたと思います」と講評しました。

講評する井上課長

JR西日本和歌山支社の金岡裕之(かなおか・ひろき)支社長は、「警察の皆さんには、迫真のふるまいをしていただき、それぞれの社員に得るものがあったと思います。社員については、日常的に行っている異常時への対応を十分できていたと思います。今後も、さまざまな異常時に対応した訓練を積み重ねていきたい」と語りました。

記者の質問に応じる金岡支社長(左)

JR西日本では、今月(1月)以降、在来線の列車内に防犯カメラを、順次、設置することにしていて、2023年度末をメドに、すべての関空・紀州路快速に設置するとともに、きのくに線などのそのほかの在来線については、2024年度以降の設置を計画していくということです。

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