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北山村伝統の郷土料理再現 映像に記録、資源化検討へ

2021年12月06日 23時50分

イベント歴史・文化社会

「じゃばらの村」で知られる和歌山県の飛び地の村、東牟婁郡北山村でおととい(12/4)、昭和30年代頃まで結婚式などで振る舞われた地域の伝統的な祝い料理を再現し、記録・試食する会が開かれました。

再現された料理の数々

この催しは、南紀熊野ジオパークの活動の一環である北山村の「ジオ興し活動」として、ジオガイドの有志と北山村の職員、里中恵理(さとなか・えり)さんらが企画し、北山村下尾井(しもおい)の主婦、久保岡徳美(くぼおか・なるみ)さんの協力で行ったものです。

地域の伝統的な食文化は、食のグローバル化や、食の簡素化が進む陰で、次第に作られなくなりつつあり、とくに地方では、過疎と人口減少にともない、伝統的な地域文化である食の伝承を取り巻く環境が厳しくなっています。

そうしたなかで、和歌山県のすぐれた自然であるジオパークの世界認定をめざす市民や里中さんらでつくるジオガイドは、山間奥地にあって伝統的な地域文化がまだ残る北山村で、郷土料理を再現し記録保存を図るとともに、今後、ジオパーク活動と結び付けた取り組みの可能性などを考えることにしています。

料理を再現する様子は動画で撮影された

料理は、2012年から13年に、地元のNPO法人が、和歌山大学経済学部の女子学生の協力で収集して再現した、かつての結婚式のお祝い料理をモデルにしています。

郷土料理の虎の巻

再現された料理の品は、北山村をはじめ奥熊野地域の祝いの料理には欠かせない、サンマずしや、ニンジンなどの煮しめを昆布で巻いた昆布ずし、塩漬けしたマグロの刺身を酢醤油で食べる「塩シビ」、そのほか手づくりこんにゃくや、ごま豆腐、じゃばらゼリーなどおよそ10種類です。

再現された北山村の郷土料理

料理のウデを振るう久保岡さんは、70歳代の村内在住の主婦で、村では、料理上手で知られています。

料理を再現する久保岡さん

料理の再現は、今月(12月)2日から取り掛かり、久保岡さんの自宅厨房で調理し、おととい(12/4)昼前から試食会が開かれました。

試食会は、村の食生活推進協議会の若い女性4人のほか、かつて所属するゼミの学生と一緒に、結婚式と料理の調査を行った、和歌山大学客員教授の鈴木裕範(すずき・ひろのり)さんや、ジオパークの活動を続ける平野晧人(ひらの・こうじん)さん、和歌山県のジオパーク推進班の職員らあわせて10人を招いて行われ、参加者は、あらためて北山村の豊かな伝統料理の味に舌鼓を打っていました。

試食会の様子

久保岡さんが料理を作る様子は、動画で記録され、レシピとともに、文化の伝承史料として主催したメンバーがまとめることにしています。

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