陸奥宗光像建立50周年式典 参列者が銅像磨く
2021年08月23日 19時24分
明治時代に外国との不平等条約を改正し、近代日本の礎を築いた和歌山市出身の政治家、陸奥宗光(むつ・むねみつ)の銅像が和歌山市の岡公園に建立されてから50年となるのを記念して、おととい(8/21)、銅像前で記念式典が開かれました。
これは、陸奥宗光外務大臣の功績を教育に活かす実行委員会が主催したもので、銅像前では、祭主を務めた刺田比古神社の岡本和宜(おかもと・かずのり)禰宜が祝詞を奏上し、参列した和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長や陸奥宗光と親交のあった坂本龍馬を顕彰する一般社団法人・全国龍馬社中のメンバーらが玉串をささげました。
式典では、実行員会の立谷誠一(たちたに・せいいち)会長が、挨拶の中で、陸奥宗光の孫の故・陸奥陽之介氏の夫人、陸奥祥子(むつ・さちこ)さんの手紙を代読し、「陸奥宗光が、生誕の地で、故郷の皆さまに親しまれ、大切に思われていることはうれしい限りです」という祥子さんの思いを紹介しました。
このあと、参列した人たちは、陸奥宗光の銅像の周りに設置された足場にのぼり、タオルで銅像を磨きました。
銅像を磨く体験には、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今年(2021年)春に予定されていた東京・外務省への修学旅行がとりやめになった和歌山市立加太中学校の生徒も参加しました。
加太中学校3年の大石結心(おおいし・ゆい)さんは、「大きな銅像で、腰に手を当てている立ち方に存在感があり、偉大な人だなと思いました。陸奥宗光については、中学時代の教科書に載っていて勉強しました。歴史に興味があるので、修学旅行がなくなって残念でしたが、今回、あらためて調べてみてよかった。和歌山に、こんなすごい人がいることをもっといろんな人に知らせたい」と話していました。
ところで、式典に参列した全国龍馬社中のメンバーは、おととい午前に和歌山市で開かれた「全国龍馬社中・近畿北陸ブロック」の会議に出席し、互いの活動を報告し合いました。
全国龍馬社中は、倒幕の立役者となった坂本龍馬を顕彰しようと、全国各地につくられた龍馬会の全国組織で、会議では、ことし4月に全国龍馬社中が一般社団法人化されたことが報告されました。
また、会議には、紀州宗光龍馬会など、近畿北陸ブロック所属の龍馬会のほか、青森や静岡、長崎からも参加があり、新型コロナウイルスの感染拡大で活動の縮小を余儀なくされる中、石碑の清掃や小学校での出前授業など、いまも継続している各地の取り組みが紹介されました。