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音楽プロデューサーの酒井政利さん死去・有田市出身・85歳

2021年07月19日 19時14分

歴史・文化社会

山口百恵(やまぐち・ももえ)さんや松田聖子(まつだ・せいこ)さんら数多くの歌手をスターダムに押し上げた、有田市(ありだし)出身の音楽プロデューサー・酒井政利(さかい・まさとし)さんが、今月(7月)16日、心不全のため、東京都内の病院で亡くなっていたことがわかりました。85歳でした。

県・文化功労賞受賞後の記者会見に臨む酒井政利さん(2019年1月・和歌山県庁)

酒井さんは、1935年(昭和10年)旧・保田村(やすだむら)、現在の有田市出身で、県立箕島(みのしま)高校や立教大学文学部を卒業後、映画会社の松竹(しょうちく)を経て、日本コロムビアやCBS・ソニーでレコード・プロデューサーを務めたのち、60歳で退職後、個人事務所を設立しました。

青山和子(あおやま・かずこ)さんの代表曲・映画「愛と死を見つめて」の主題歌が日本レコード大賞を受賞したのを皮切りに、南沙織(みなみ・さおり)さん、郷ひろみさん、キャンディーズ、山口百恵さん、松田聖子さんといったアイドル歌手を次々とヒットさせたほか、矢沢永吉(やざわ・えいきち)さんや久保田早紀(くぼた・さき)さんといったロックやニューミュージックの歌手とも組んで、楽曲とタイアップしたコマーシャルもヒットさせました。

とくに、1978年、旧・国鉄のキャンペーンソングだった山口百恵さんの「いい日旅立ち」について酒井さんは「いつか、ふるさとわが町というコンセプトの作品を作りたいと思っていました。私の故郷・保田村にあった池に鏡映しになった山や木々の美しさがあの歌の原風景です」と語っています。

酒井さんは、2005年に音楽業界で初となる文化庁長官表彰を、2018年度には和歌山県文化表彰の文化功労賞をそれぞれ受賞したほか、去年(2020年)11月には文化功労者にも選ばれました。

酒井さんは、ことし(2021年)5月に体調を崩して東京都内の病院に入院し、今月16日の午後、心不全のため亡くなりました。葬儀と告別式は、親族で既に執り行われ、お別れの会なども、酒井さんの生前の意向で行われないということです。

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