山田洋次監督・舞台挨拶 「キネマの神様」和歌山で上映
2021年07月06日 19時48分
松竹映画100周年を記念した「キネマの神様」の特別先行上映会が、きのう(7/5)、和歌山市のジストシネマ和歌山で開かれ、山田洋次(やまだ・ようじ)監督が舞台挨拶に立ち、和歌山のファンに感謝の言葉を語りました。
これは、寅さんが登場する山田監督の作品「男はつらいよ」の世界を通して、活気をなくした和歌山の商店街について考え、復活させようと、8年前に結成されたわかやま寅さん会が、おととしに続いて山田監督作品の上映会を主催したものです。
今回、上映された「キネマの神様」は、原田マハの小説を映画化したもので、映画監督という夢に挫折しながらも映画をこよなく愛する主人公を務めるのは、当初、志村けんさんの予定でしたが、去年3月にクランクインした後、1カ月も経たない3月29日、新型コロナウイルスによる肺炎で死亡し、代役を、沢田研二さんが務めました。
きのう午後、行われた特別上映会で舞台挨拶に立った山田監督は、「志村さんは、最晩年に、相当の決意をして映画の主役に取り組もうとしていると思ったので、私もそれに応えるべく準備をしていました。亡くなった時には、絶望的な思いに駆られましたが、志村さんの親友だった二枚目スターの沢田さんが三枚目の役を演じてくれて、突拍子もない私のキャスティングに応えてくれました」と語りました。
舞台挨拶には、山田監督の作品で照明を担当し、去年3月の第44回日本アカデミー賞で優秀照明賞を受賞した和歌山市出身の土山正人(つちやま・まさと)さんも同席し、山田監督とともに、上映会に招待された高校生から質問を受け、答えていました。
また、上映会で挨拶した、わかやま寅さん会の西本三平(にしもと・さんぺい)代表は、「街の賑わいの核となるのは、地元の個人店。上映会にあたって、広告をもらうためお店を回ると、コロナ禍にもかかわらず、前回の2倍のお店に賛同してもらうことができ、うれしい」と言葉を詰まらせながら語りました。
松竹映画100周年を記念した「キネマの神様」は、8月6日に公開されます。