【新型コロナ】和歌山城ホール建設工事 1週間中断へ
2021年05月30日 17時47分
和歌山市中心部に建設が進められている和歌山城ホールの工事現場で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した問題で、和歌山市はあす(5/31)から1週間、建設工事を中断することを明らかにしました。
和歌山市では、市民会館に代わるホールとして、おととし2019年7月から、和歌山市七番丁に「和歌山城ホール」の建設を進めていて、今年10月10日の完成を目指しています。
こうした中、この建設工事現場の作業員が新型コロナウイルスに感染していることがわかり、当初、和歌山市に営業所のある空調設備会社のクラスターとされていましたが、その後、工事現場内で感染の広がりが確認されたため、和歌山城ホール建設関連のクラスターとなりました。
和歌山市保健所は、和歌山城ホールの建設工事に携わっているおよそ440人のPCR検査を実施していて、県健康推進課によりますと、これまでに県外で感染確認された2人を含む30人の感染が判明していて、県内で最大のクラスターとなっています。このため、和歌山市は、工事を中断し、新たな感染者が出ないか、様子を見るとともに感染対策の徹底をはかることにしたものです。
きょう(5/30)午後、記者団の取材に応じた和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は、「感染から発症までの期間で最も多いのが5日間とされているので、1週間の中断としたが、この期間中に感染者が相次ぐようなら、さらに期間を延ばす必要が出てくるかもしれない」と述べました。
その上で、尾花市長は、工事の期間について、「もともと厳しい工事工程だったので、1週間の中断は影響があると思う。今後の感染状況も不確定な要素があるので、全体の工期が10月10日で収まるかどうかは、これからの調整にかかっている。10月30日に開幕する国民文化祭は、和歌山城ホールで実施したいが、場合によっては、旧市民会館の活用も視野に入れなければならない」という見通しを示しました。
また、工事の再開にあたっては、建設現場に関わるすべての人を対象に、感染していないかを確認する検査を実施し、再開後は、現場の代表者が集まる会議で換気を徹底するほか、必要に応じて作業員らの抗原検査を実施するなど感染防止対策を強化する方針です。