大豆イソフラボンでナマズをメス化、近大新宮実験場
2021年05月02日 18時37分
新宮市の近畿大学水産研究所・新宮実験場では、このほど、大豆イソフラボンを用いたナマズの全メス化に、日本で初めて成功したと発表しました。
成功したのは、稲野俊直(いねの・としなお)准教授の研究グループで、大豆イソフラボンの成分のゲニステインを溶かした水で飼育することで、全ての個体のメス化に成功したということです。
ナマズの養殖では、メスが1年未満で出荷サイズに達するのに対し、オスは成長に停滞期があるため、養殖期間が長く、オスとメスの比率によっては、生産効率の低下を招いていました。そこで、研究グループでは、成長が早いメスだけを養殖する技術開発を進めてきました。
大豆イソフラボンは、生物の体内で女性ホルモンと同様の作用を持つ成分の一つで、すでにサプリメントとして市販されています。
今回の成功で、これまで利用が難しかった小型のオスの廃棄ロスの削減につながるほか、メスの価値が高い、他の養殖魚への応用も期待できるとして、新宮実験場では、チョウザメのメス化に取り組みたいとしています。