13億円の遺産が事件の背景か
2021年05月02日 18時50分
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた田辺市の資産家の男性を殺害したとして元妻が逮捕された事件で、事件の背景に、およそ13億円に上る男性の遺産があるとみられ、県警では、関連を慎重に調べています。
この事件は、3年前、田辺市の資産家、野崎幸助(のざき・こうすけ)さん当時77歳が、自宅で急性覚せい剤中毒で死亡したもので、先月(4月)28日、殺人などの容疑で、元妻の須藤早貴(すどう・さき)容疑者25歳が警察に逮捕されました。警察は、須藤容疑者が、致死量の覚せい剤を口から飲ませ、野崎さんを殺害したとみて、捜査を進めています。
ところで、田辺市によりますと、野崎さんの死後、「全財産を市に寄付する」という2013年2月8日付の手書きの遺言書の存在が判明し、和歌山家裁・田辺支部は、要件を満たすとしたため、市は、受け取りの手続きを進めています。
弁護士によりますと、野崎さんに子どもはいないため、民法上は、遺言内容にかかわらず、妻は遺留分として、遺産の半分の相続を請求する権利があります。しかし、仮に、妻が、殺害の罪で刑罰を受けた場合は「相続人の欠格事由」に該当し、遺産を受け取れない場合があるということです。
遺言書をめぐっては、野崎さんの兄ら親族4人が、去年(2020年)4月、無効確認を求めて提訴し、現在も係争中です。