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和歌山県指定文化財にあらたに2件指定へ

2021年04月16日 20時20分

歴史・文化

和歌山県文化財保護審議会は、このほど、白浜町(しらはまちょう)の安居(あご)近世用水路と、上富田町(かみとんだちょう)の龍松山城跡(りゅうしょうざんじょうせき)の2件を、あらたに県指定文化財に指定するよう、県教育委員会に答申しました。

安居用水路の暗渠部分(写真提供・和歌山県教育庁)

このうち、安居近世用水路は、江戸時代後期の文化2年・1805年に日置川(ひきがわ)から安居地区に整備された、長さおよそ2キロのかんがい用水路です。当時の庄屋・鈴木七右衛門(すずき・しちえもん)の主導で私財を投げ打って整備されたこの用水路は、途中、長さ273メートル、2メートル四方の暗渠(あんきょ)部分を含み、当時の測量や土木の技術力を結集させた貴重な遺跡として高く評価されました。

龍松山城跡写真(写真提供・和歌山県教育庁)

一方、龍松山城跡は、上富田町市ノ瀬(いちのせ)の富田川(とんだがわ)を見下ろす高台に建てられた、室町幕府の奉公衆(ほうこうしゅう)・山本氏(やまもとし)の居城で、戦国時代の紀伊半島の政治情勢や領主の支配と変化を顕著に示す、学術的価値の高さが評価されました。

このほか審議会は、かつらぎ町の天然記念物「十五社の樟樹(じごせのくすのき)」と、新宮市熊野川町(しんぐうし・くまのがわちょう)の「一遍上人名号碑(いっぺんしょうにん・みょうごうひ)」の近くの「磨崖(まがい)名号碑」を県指定文化財に追加指定することも答申しました。これにより、県指定文化財は580件となる予定です。

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